コーヒーチェリーが生豆になるまで。Cafe Kalaw Coffee Factoryの仕事。

コーヒーチェリーが生豆になるまで。Cafe Kalaw Coffee Factoryの仕事。

赤く熟したコーヒーチェリー。

この実が、私たちのよく知る「コーヒー豆」になるまでには、いくつもの工程があります。

収穫し、選別し、果肉を取り除き、発酵させ、乾燥する。
そして最後に脱穀し、欠点豆を取り除いて、ようやく生豆になります。

私たちがミャンマー・カローで運営している Cafe Kalaw Coffee Factory は、その一連の「収穫後」の工程を担う場所です。

今回は、農園や周辺の村から届いたコーヒーチェリーが、どのように生豆になっていくのかをご紹介します。

 


コーヒーは、収穫してからも大切

コーヒーというと、農園で育てるところに目が向きがちです。

もちろん、どの土地で、どのように木を育てるかはとても大切です。

しかし、味を決めるのは栽培だけではありません。

収穫したチェリーを、その後どのように扱うか。

ここも品質を大きく左右します。

せっかく完熟した良いチェリーを収穫しても、精製や乾燥に問題があれば、そのポテンシャルを十分に引き出すことはできません。

だから私たちは、収穫後の工程もとても大切にしています。

 

自社農園と、周辺の村から届くチェリー

Cafe Kalaw Coffee Factoryには、自社農園で収穫したチェリーだけでなく、カロー周辺の農家が育てたチェリーも運び込まれます。

収穫期になると、農家から届いたチェリーの状態を確認していきます。

熟度は揃っているか。
未熟豆や傷んだ実が混ざっていないか。
どのくらいの量が届いたのか。

品質づくりは、この段階からすでに始まっています。

 

 

私たちは単に原料としてチェリーを買うのではなく、

より良いチェリーを作ってくれる農家から、継続的に買い付けていくこと

も大切にしています。

良いものを作れば、きちんと買ってもらえる。

そんな関係を少しずつ作っていくことが、将来のKALAW COFFEE全体の品質向上につながると考えています。


まずは、チェリーを選ぶ

工場に届いたチェリーは、まず状態を確認します。

赤く熟した実。
まだ青い未熟な実。
熟しすぎたもの。
虫食いや傷のあるもの。

見た目は同じ「コーヒーチェリー」でも、一粒一粒の状態は違います。

できる限り良い状態のチェリーを選び、次の工程へ進めます。

 

この最初の選別は地味な作業ですが、最終的なカップのクリーンさや甘さにも関わる大切な工程です。


精製方法によって、味は変わる

チェリーを選別した後は、どのように精製するかを決めます。

私たちが現在取り組んでいる主な精製方法は、

Natural、Red Honey、Black Honey です。

同じ土地で育った同じコーヒーチェリーでも、精製方法によって味わいは大きく変わります。

 

Natural

Naturalでは、コーヒーチェリーの果肉を付けたまま乾燥させます。

果肉に包まれた状態で時間をかけて乾燥することで、果実を思わせる風味や甘さが出やすくなります。

私たちのNaturalでは、ベリーのような果実感や甘さのあるカップを目指しています。

Honey

Honey Processでは、チェリーの外皮や果肉を取り除いた後、種子の周りにあるミューシレージと呼ばれる粘液質を残した状態で乾燥させます。

残すミューシレージの量や乾燥方法によって、味わいも変わります。

私たちはRed HoneyやBlack Honeyなど、複数の方法を試しながら、カローのチェリーに合う精製方法を探しています。


乾燥は「ただ天日に干す」だけではない

精製したコーヒーは、乾燥工程へ進みます。

Cafe Kalaw Coffee Factoryの敷地には、斜面を利用して乾燥ベッドを設置しています。

そこにコーヒーを薄く広げ、日中は何度もかき混ぜながら、できるだけ均一に乾燥させていきます。

 

乾燥には天候が大きく影響します。

晴れている日もあれば、雨が続くこともあります。
気温も湿度も毎日同じではありません。

そのため、「○日乾かせば完成」という単純なものではありません。

豆の状態を見ながら、時間をかけて水分を抜いていきます。

 

雨が降ればカバーをかける。
乾き方にムラが出ないよう、何度も豆を動かす。

収穫期の精製所では、こうした作業が毎日続きます。


数字でも状態を確認する

「乾いたように見える」だけでは十分ではありません。

私たちは水分計などを使いながら、豆の状態を確認しています。

水分量だけでなく、水分活性なども測定し、保存や品質に問題がない状態を目指します。

 

 

 

 

コーヒーは農産物です。

だからこそ感覚だけではなく、できる限り数字でも状態を把握する。

こうした積み重ねが、毎年の品質を安定させるために重要だと考えています。


乾燥したら、まだ終わりではない

十分に乾燥したコーヒーは、まだそのままでは「生豆」ではありません。

豆の外側には、パーチメントや乾燥した果皮などが残っています。

それらを脱穀機で取り除き、私たちが普段目にする緑色の生豆の状態にしていきます。

 

その後、欠けた豆や虫食い豆、異物などを取り除きます。

一粒の欠点豆が、焙煎後のカップ全体に影響することもあります。

だから最後まで、丁寧に選別していきます。

 


最後は、カップで確認する

最後に行うのが、カッピングです。

見た目がきれいな豆でも、実際に飲んでみなければ味は分かりません。

香り。
甘さ。
酸味。
後味。
クリーンさ。

そして、そのロットらしい特徴がきちんと出ているか。

 

Natural。
Red Honey。
Black Honey。

同じカローのチェリーでも、それぞれに違った表情があります。

収穫されたチェリーの状態や天候、乾燥条件を見ながら、その年のベストを少しずつ探していきます。


「KALAW COFFEE」を産地からつくる

Cafe Kalaw Coffee Factoryで行っていることは、華やかな仕事ばかりではありません。

チェリーを運ぶ。
選別する。
豆を広げる。
何度もひっくり返す。
雨が降ればカバーをかける。
水分を測る。
欠点豆を一粒ずつ取り除く。

毎日のほとんどは、そんな地道な作業の積み重ねです。

 


でも、その一つひとつが、

農家が育てた赤いチェリーを、
日本で飲まれる一杯のコーヒーへつなぐ仕事です。

私たちが目指しているのは、単にコーヒーを作ることではありません。

「KALAW COFFEE」という産地を、少しずつ育てていくこと。

そのために、栽培だけでなく、精製、乾燥、選別、品質管理まで、産地のすぐそばで自分たちの目で確かめながら取り組んでいます。

 

 

赤いコーヒーチェリーが、一粒の生豆になるまで。

その間には、たくさんの人の手と時間があります。

そして、その続きは日本へ。

焙煎され、香りをまとい、ようやく一杯のコーヒーになります。

私たちの仕事は、その長い旅のちょうど真ん中にあります。


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